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「胎児循環」 その4
- 2017/09/28
2.胎児循環の切り替わり
胎児循環から、通常の循環系に切り替わるのは、出産による肺呼吸の開始が切っ掛けです。
産声とともに肺に空気が入って肺組織が大きく広がりますと、動脈管にバイパスされていた多量の血液は、左右の肺動脈から拡大した肺組織内に引き込まれて肺循環が確立します。
バイパスとして機能しなくなった動脈管は、動脈管索という結合組織のヒモと化します。
肺循環に血液が流れれば、肺静脈から左心房に大量の血液が返るので、これまで低圧だった左心房の圧が一気に上昇します。
この結果、右心房と左心房の圧力差を原動力に、開通していた卵円孔からの血流(右心房→左心房)が止まり、卵円孔が閉じます。
その後、閉鎖した卵円孔は卵円窩という窪みとして心房中隔に痕跡を残します。
また、出産時に臍帯を縛ることで胎盤循環がなくなり、左右の臍動脈、臍静脈及び静脈管はいずれも血流が途絶えます。
後に、臍動脈は臍動脈索、臍静脈は肝円索、静脈管は静脈管索というヒモに変化します。
いうまでもなく、静脈管→下大動脈を経て右心房に流れる血液も減るので、右心房圧は低下して卵円孔を閉鎖する一要因となります。
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真心堂療術院 院 長