- トップページ
- >
- 異常でないのに「不健康」な人がいる
異常でないのに「不健康」な人がいる
- 2019/10/03
病気というほどでもないのですが、『何となく元気が出ない、気分が落ち着かない、夜よく眠れない、食欲がない、便秘気味である、頭が重い、身体がだるい、すぐ飽きる、疲れやすい』といったことを訴える人が、働き盛りの中年者に多いです。
このような『漠然とした』症状を「不定愁訴」とも呼びますが、これはドイツ語の「ウンベスティムテ・クラーゲ」の訳であり、欧米でも多いのです。
医師に診てもらっても、どこにも異常は認められない、病気ではない、疲れのせいだと言われます。
無理に薬をもらってきて飲んでも、良くならない。
それで、市販の薬や自然健康食品に飛びつくことにもなります。
このような状態は、本人には、『自覚症状』がありますので、病気だと感じているのですが、診察をしてもらっても『客観的な証拠』は見つからないのです。
今日の医学では、主として客観的に症状に病的変化があるものを病気とする立場に立ってから、医学的に言えば病気ではないことになります。
ですが、本人は、自覚症状がありますから、病気だろうと思うのです。
もともと、病気という言葉は、「気を病む」とか「病のような気がする」ということを意味し、自覚的、主観的なものであるのですが、現代の科学的医学なるものは、客観的な変化を証拠として、成り立っているのですから、そんな「気がする」ということを、いちいち取り上げるわけにはいきません。
そこで、この不定愁訴を持つ状態は、医者から見れば、「病気ではない」のですが、患者からは、健康ではない(病気かもしれない)ということになります。
つまり、病気ではないのですが、健康でもない、というわけです。
それで、これを「半健康」と呼ぶのです。
また、これは、このままにして放っておきますと、医学的な本物の病気に発展していくもので、近年では「前病状態」と呼ばれています。
つまり、はんけんこうは「病気の卵」であり、恐ろしい成人病(中年病、生活習慣病)へ育って行く「鬼子」なのです。
半健康のうちに、つぶしてしまわなければならないのです。