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米のタンパク質は卵や肉と同じくらい良質です
- 2019/11/22
タンパク質が欠乏しますと、成長は悪くなり、体格も小さく、体力もスタミナも衰え、気力もなくなり、病気にもなるのです。
このことは、戦時中から戦争後に掛けて、栄養失調相と呼ばれて、日本人は経験をしました。現在では考えられませんが‥。
昔から飢餓の時に、多くの人達が死んでいきました。
こんな時、肉や魚類を与えますと、奇跡的に助かったということも知らされています。
そこで、肉や魚(主成分がタンパク)は、飢餓で弱ったものにとっての『妙薬』とみなされていました(上杉鷹山の「かてもの」など)。
こんなことから、肉と魚と言えば「タンパク」のこと、そして、タンパクとは「肉や魚」のことと思い違いされているようですが、タンパクは、米や麦、豆や果物、野菜(実・茎・葉などすべて)にも含まれています。
一般に、肉や魚類のものを「動物性タンパク」、穀物や豆、野菜などのものを「植物性タンパク」と呼んでいます。
生きものの細胞を形作るのは、動物も植物も全て、タンパク質であり、動物性のものは、タンパクの含有量が、普通多く(18~24%)、植物性のものは(大豆は35%と多い)穀類では少なく(8~9%)、野菜果物類は1%前後です。
これは、一般に植物性のものは、でんぷん質が多く、特にビタミン類の様々のものが多く含まれているからで、タンパク質としては、あまり違いません。
以前は、牛乳のタンパク(カゼイン)が、最も良質であると決めて、それに比べて「タンパク価」を考えました。
それによりますと、肉類・魚類のタンパクは、タンパク価が高いので「良質タンパク」と呼ばれ、米や麦のタンパクは、その価が低いとみなされて調べもせずに「良質でないタンパク」とされました。
ところが、1965年にFAO(国連食糧農業機構)で、鶏卵の白身タンパク(卵アルブミン)の、発育や抵抗力への影響について調べたところ、牛乳のカゼインより良いことが分かり、これを基にして「タンパク価」が、大きく改訂されました。
と同時に、米のタンパクは、卵タンパク、牛豚肉や魚のタンパクと、ほとんど同じくらい「良質」である、ということも分かりました。
従って、「良質タンパク」とは、必ずしも、肉類や魚介類のものだけではないのです。