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タンパク質の摂り過ぎは不足よりももっと悪い②
- 2019/11/24
タンパク食品は、あまり固い獣肉よりも、柔らかい鶏肉や魚肉の方が良いわけです。
最も良いのは、穀物など、でんぷんで薄められている植物性タンパクで、しかもこれらには繊維やビタミンがあるので、腸の動きを促し、従って停滞もしません(例えば、卵などを玄米か半トウ米のおかゆに混ぜれば、病人食にもなります)。
タンパクは体内に入ってから、体組織をつくるアミノ酸となり、余ったものはアミノ基を離して、糖質や脂肪のようなカロリー源に変化していきますが、タンパクを摂り過ぎますと、余分なアミノ酸はみな脂肪となって、皮下や内臓に沈着するのです(これが太り過ぎを起こします)。
それだけならまた良いのですが、アミノ基は、アンモニアになって、これが有害なのです。
アンモニアは、炭酸ガスで中和されて尿素をつくります。
尿素は少量ずつなら尿として排泄されますが、多くなりますと、尿酸となって沈殿します。
これが関節や神経の周りに沈着しますと、痛風という関節の病気になります。
これは30代からの男性に多いもので、30年前には、日本には全然ない欧米の文明病と考えられていましたが、20年くらい前から、我が国でも急に多くなりました。
都会ではリウマチと言われるものの半分は、この痛風であるとも言います。
このように、タンパクは摂り過ぎると有害であり、また、一緒に摂るでんぷん質が少ないと、体内に入ったアミノ酸は、カロリーとして使われ、この時もアミノ基を先ず離して(脱アミノ作用と言います)糖質や脂肪に変化していきます。
そして、これを中和するために肝臓に負担が掛ることになります。
肝臓が悪くなりますと、顔などの皮膚にシミができます(漢方では、シミのことを「肝斑」と書き、シミが出るのは、肝臓の悪い1つの証拠であるとしています)。
このように、タンパクは、少なすぎてはいけませんが、多過ぎるのは、もっといけないわけです。
食物の総カロリーが十分であれば、「タンパクの最小必要量は、1日25g以下」で良いと言います。