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人間の「天寿」は125歳です
- 2019/12/02
老化のメカニズムについては諸説があります。
始め、生殖機能の衰退が根本原因であろうと考えられましたが、そうではないことは、老人(男性)に生殖能力のあること、女性は生殖能力がなくなっても(閉経・更年期)、性的関心は、むしろ高まること、睾丸や卵巣を取ってしまっても、長生きする人は少なくないことなどから分かるのです。
また、性ホルモンの注射によって、一時的に性的欲求は高まりますが、老化はかえって促進されることからも、性機能は全身の老化を防ぐものでなく、長寿とは直接関係はないことが分かります。
そこで、身体の中の細胞や血液の成分の変化に、老化の原因を求めるようになり、ある人は、細胞の形や成分に重きを置き、自己免疫、過酸化脂質、カルシウム代謝あるいは総合的な物資代謝などに重きを置き、あるいは遺伝物質(DNA)内の情報伝達の変化に老化の原因を求める学者もあります。
その一人、緒方博士は「唾液腺ホルモン」(耳下腺から分泌されます)の欠乏症‥胎児の軟骨異常栄養症(生まれながらに白髪でシワだらけの病)及びカルシンベック病(青少年の発育盛りに急に老化が起こってくる病)‥からヒントを得て、動物で耳下腺を除去しますと、たちまち老化することを実験しました。
そして、20数年にわたる研究の結果、耳下腺から唾液腺ホルモン(バチロン)を発見、抽出し、このホルモンの欠乏が老化を促進すること、そして逆に、このホルモンを注射しますと老化は停止、あるいは防止されることが確かめられました(ロイヤルゼリーも、バロチンとよく似た作用があるという学者もいます)。
ですが、緒方博士は、このバロチンで防止できる老化は、「ニセの老化」であり、「本物の老化」は、遺伝的なもの(DNA)の指令によるものであるとしました。
そして、「本物の老化」は、いわば人類の宿命であって、いかんともしがたいが、「ニセの老化」(これが、一般に老化と言われるものです)は主として結合組織が柔軟性を失ったり、栄養代謝の障害によるもので、これは、いわゆる養生法とか健康・長寿法の対象になりうるものであります。
この本物の老化のままで死んでゆくのが天寿であり、これは、色々な研究から、大体125歳くらいで、200年前にフランスの生物学者フルーランスが言ったことが、裏付けられ、今日、一般に通用しています。
従って、その前に死ぬのは、ニセの老化、または成人病(中年病・生活習慣病)その他によるのであって、天寿を全うしたのではないということになります。