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保健がかかっていると傷も重くなる!?①
- 2020/02/01
「気のせい」で、心や身体の病気が起こりうると言い出したのは、フロイトの「精神分析」が生まれ、フランスのジャネ氏が「ノイローゼ」と命名してからです。
日本語では、「神経症」と訳されていますが、一般的にも「ノイローゼ」の方が用いられています。
どうも変てこな、わけのわからない病気で、色々調べてみますと、「気のせい」(心因性後付け)であることが多いのです。
愛人に捨てられて、足腰が立たなくなったとか、事業に失敗してから動悸やめまいの発作が起こるとか言ったことであります。
精神分析では、その原因を性的欲求(リビドー)と結びつけたので、色々批判もありますが、とにかく、「気のせい」「無意識的な欲求」で起こる病気のあることが、知られるようになりました。
最も、古くから得体のしれない異常゙‥身体の病変と食い違う症状がありますが、女性に多く起こり、そのためヒステリー(ヒステル‥子宮の病)と命名している病気がありました。
今日でいうノイローゼです。
我が国では、大正時代に、「神経衰弱」と呼ばれる病気がはやりました。
無気力、脱力感が主訴ですが、身体を調べても、これといった病変は見つかりません。
そのうち肺結核が現れたりしますので、肺結核の初期症状と考えられたりしました。
ノイローゼが、神経症と訳され、本格的なものが現れたのは、大正の末期、傷害保険ができてからです。
腕にちょっとケガをしていました。
筋肉も骨も、何の異常も見られません。
なのに、ちょっと触っても、酷く痛み、動かすこともできません。
その経過を聞いてみますと、初めは、大事にしていて、3~4日のうちに、ほとんど治りかけましたが、保険金がかかっていることを思い出し、「重ければ、保険金がもらえる」と思い、それを願っている内に、皮膚の傷は治ってしまいましたが、次第に腕は動かなくなり、痛みはひどくなり、夜も眠れなくなってしまったと言います。
この続きは、次回掲載します。