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「電話は現代の殺人機械である」
- 2020/02/07
今日の文明社会は、機会に見られるように、狭い地域に多くの人々が住み、人込みをかき分けて誰もが忙しく動き回っています。
交通のラッシュ、通信の錯綜、騒音や雑音の中の職場、流れ作業の工場では、長時間、いやでも、精神的にも肉体的にも、強制を受けます。
情緒や感情に逆らう作業、単調な仕事の繰り返し、精神集中を強いられる作業、責任を負わされる仕事、昼夜の生命のリズムに反して行われる夜間作業など‥現代の産業形態は、全て「ストレス」を起こす刺激として我々の心や身体の健康を阻害するのです。
町中では、道を歩いていても、自動車は恐ろしいスピードで傍らをすり抜けていきます。
団地では、隣の人も知らん顔、しかも、あらぬうわさや、ときには「流語蜚語」までが飛び交い、人間関係は複雑、怪奇です。
テレビやラジオも、ショッキングな情報を流しっぱなしです。
ことに電話の発達は、無断で飛び込んできては、個人の生活をかき乱し、精神集中を妨害し、仕事を中断させます。
イギリスのベネット博士は「電話は現代の殺人機械である」と結論付けていますが、経営者で電話に立って、心臓や脳の卒中で倒れる場合の多いことを取り上げています。
ことに、夜の電話は、家庭の団欒や休息を妨げますし、夜中の急用はショックを起こします。
このような対人関係の強い情緒的な刺激は、一般に強いストレスを起こします。
そのために、夜になりますと、気が落ち着かなくなり、喘息の発作を起こしたり、不眠を訴えることにもなります。
電話を「枕」に選挙を指図していて、倒れた政治家もいます。
また、夜勤の電話交換嬢などには、心臓を悪くしたり、血圧の高くなる「夜勤病」というのもあります。
不規則な生活で夜遅くまで起きているため、生命のリズムが狂い、これもストレスになるわけです。
また、人口の過剰も、強いストレスを起こします。
アメリカのクリスチャン博士は、ネズミで実験しましたが、ネズミを一籠あたり、1匹、4匹、8匹、16匹、32匹に区分して飼育した後で、ネズミの各臓器を調べたところ、1籠内のネズミの数の多いほど、副腎皮質が肥大していた(つまり、ストレスを受けた)ことが分かりました。
そして、1籠内の匹数が多い(人口密度の高い)ほど、体重の減り方も激しく、また、個体同士の認識が失われ、秩序が乱れ、社会性が破壊されて行くということも見られました。