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「食べ放題」「遊び放題」していませんか?
- 2020/02/15
最近の「文部科学省の体力調査」によりますと、学童は筋力が弱く、大人は持久力が衰えている「衣食足りて、たくましさ後退」と言います。
「体育の日」の発表ですから、もっと体育をやりなさい、スポーツをやりなさい、ということらしいです。
テレビ、ラジオも、新聞も、「もっと運動を」とキャンペーンをしています。
ですが、食べ放題、遊び放題で、レジャー、スポーツと叫んでも、楽なこと、楽しい事に慣らされた日本人が、たくましく強くなることは考えられません。
それは、「適応」ということを無視し、適応力をつける根本を忘れているからです。
適応とは、つまり困苦欠乏に対して、耐える力であり、困苦欠乏に立ち向かうことによって強められるものです。
従って、楽をしていては、適応は働かないのです。
アメリカのアリゾナ州の砂漠に棲む牡牛は、3~4日も水も飲まないで平気でいます。
犬も週2回しか物を食べないで、なお太って素晴らしい健康を保つています。
その棲む環境によって、水を飲む機会が乏しい動物は、一度にたくさん「飲みだめ」をすることを覚え、彼らの組織は長い間に亘って、多量のミズを蓄えるようになります。
食物でも、絶食を強いられている動物は、1日か2日、食物の摂れる時に1週間余りの分に相当する量を摂る癖があります。
その逆に、いつもいつも多量に食べていますと、無益に多く摂り過ぎ癖がついてしまい、ついに、それをやめられなくなります。
野兎と家兎とは同一種類ですが、家兎は、随時食物を摂って、体重は増し体格は大きくなりますが、活動性が鈍り、外気に対する抵抗力も弱くなります。
同様なことが肉豚についても知られています。
過度の飲食が心身の活動に対してどのように作用するか、一部しかわかっておりませんが、飼育動物の知見から、飲食物をいつも規則的に、そしていつも十分に摂っていることは、果たして人間を最善に発達させることになるのであろうか。
現代生活では、1日に3度、十分に食べ、随時飲むことができるのですが、これが真に人間を健康に導くとは限らないのです。