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「闘争本能」をコントロールできるのが人間である
- 2020/02/19
人間は、自然環境に対するのと同様に、社会(人間的)環境にも適応します。
これによって、精神活動は、生理的な活動と同様に、その個人を生存させるように、環境に調和させるようにさせていきます。
この社会適応こそは、人間の運命を決定し、人類の発展を促してきたのです。
人間は、誰しも、優位に立ちたがり、持ちたがり、享楽したがり、好奇心と性的欲求に駆り立てられるのですが、社会環境は、いつも、それに対して反抗的であり抵抗的であって、思うようにはなりません。
そこで、ある者は、環境に打ち負けまいとし、ある者は、環境から逃避しようとして適応します。
しかし、他の者は、適応しようとはしないで、環境に打ち負かされてしまいます。
人間は、本来的に持っているのは、動物と同じく、「闘争本能」です。
この闘争本能を、社会環境に立つ向かう努力によって、適応させるのが大脳の発展した人間なのです。
そこで、知能が発達して、知識欲、所有欲、支配欲が強められることになります。
この意欲や欲望は、色々な形を取るのですが、この欲望がなくては、社会的な優位は得られないのであります。
しかし、この欲望は、人間を幸福へも、成功へも、駆るのですが、また非行、犯罪へも突きやるのです。
これとは逆に、闘争からの逃避(相手が手強いとみると、動物の闘争本能は、逃避の形を取ります)を起こすこともあります。
ある人々は、闘争のないところへ身を置き、社会との縁を切って、自分自身の殻に閉じこもり、人目を忍んで、その日その日をどうにか生きて行こうとします。
またある人は、アルコールや麻酔に身を持ち崩し、夢うつつの生涯を過ごします。