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人間の「本当のたくましさ」とは何か?
- 2020/02/20
人間は、約5万年前(第4氷河期の終り頃)、まさに死に絶えようとしていた時、力を合わせて自然環境に立ち向かい、自らの力で、自らに適する環境を作り出し、衣服、住居を作り、火を使って暖を取り、食物を調理し、進化、発展し始めたと言います。
ですが、今日、余りに穏和で安逸な生活環境に慣れて、自らの適応力を低下させ、ちょっとした困苦欠乏にも耐えられなくなってしまいました(そして、公害、騒音、人間関係のうるさい都会がいけないと言って、「自然」にあこがれるのが、たくましい体力と旺盛な気力を失った者には、とても自然環境の猛威の中では、生活できるものではありません)。
「人間この未知なるもの」(三笠書房刊)の著で有名なアレキシス・カレル氏が言っているように、「人間の一局部のみに視野を限られた医学者や栄養学者らの説に盲従することは、軽率のそしりをまぬかれない。例えば、ただ体重が増したとか、身長が早く伸びたとか、体力が増したとか減ったとか言った、そんな皮相なことからは、真の人間の強さ、たくましさは、求められるものではない」のであります。
何故、そうなったのか。
つまりは、人間が、自然環境と戦ってきた、経済的な事実(適応)を無視してきたからであります。
例えば、余りにも冷暖房が完備しますと、人間自身の体温調節を働かせなくなるので、人間に備わっている「冷暖房装置」はサビ付いてしまいます。
そのため、直接に自然の暑さ寒さにさらされますと、体温調節が効かなくなって風邪を引いたり、夏にばてることになるのです。
食物にしても、柔らかくて、美味しいものを腹一杯食べていますと、粗食には耐えられず、ちょっと腹が空いても倒れることになるのです。
またあまりに、「省力化」されて、筋力も衰え、脚力も弱り、運動に対する適応力は低下したのです。
女性も昔は、毎日の洗濯、掃除、炊事、育児で、身体を良く動かしたものですが、「家庭電化」では、水泳やエアロビクスをやったからとて、とても追いつけるものではありません。