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「健康度」は「適応力」である
- 2020/02/23
人類は、既に250万年も前に立って歩いていました。
そのころには、サルの類と同じように、色々な種類のものがいました。
そのころから今日までに、4回の氷河期がありました。
その間に、猿人または原人と呼ばれる色々な「人」は、次々と絶滅していって、5万年前ほど前(第4氷河期の末期)には、ただ一種の原人だけがスペインの大西洋岸の洞窟に生き残っていました。
この原人が、厳しい寒さの中で、まさに死に絶えようとした時、協力して環境に働きかけ、暖を取り、食物をさがし、栽培したり、家畜を飼ったりして、2万年足らずの間に急速に進化して、今日の人間(ホモ・サピエンス)になったと言われています。
つまり、人類は、猿からちょっと進化して猿人または原人となったのでありますが、200万年以上も、ほとんど進化しなかったのが、厳しい環境の中で、生きるために協力して頭を使い、身体を動かすことによって、わずか1~2万年の間に、ホモ・サピエンス(大きな脳を持った、知識のある人)に進化したと言うわけです。
これは、生物学的に言いますと、人が環境に「適応した」ためです。
生物は、環境に適応する能力があり、適応したものは生き残り、適応できないものは滅びてしまうのであります。
また、環境が厳しすぎて、適応能力の範囲を越えれば、生物は死滅し、余りに環境が良過ぎますと、適応能力は弱まり、環境のちょっとした変化に対しても、抵抗できなくなって、衰退してしまうことになります。
従って、適応力が強ければ、多少の無理をしたり、良くない状況に置かれても、健康に破綻を起こす(病気になる)ことはないわけであり、活動を続けられるのです。
言い換えれば、健康であるとか、ないとか、病気になりにくいとか、なりやすいとかということは、つまりは適応力が弱いか強いかの問題なのです。
この適応力は、遺伝や体質、生育した風土、民族の風習、そして日常の生活環境などによって、一人一人違います。
それは、適応力と言いますのは、前述したとおり、多少とも困苦欠乏に耐えていますと(適応能力の範囲内で)、次第に強くなり、余り温和な環境で、頭も身体も動かさずにおりますと、弱っていくものだからです。
健康度と言いますのは、つまりは、このように適応力を、別の言葉で言い換えたものなのです。