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「少しの困難」は人間を強くする①
- 2020/03/01
我々はまた、消化機能の使い方をも変えてしまいました。
古いパンとか、老獣の肉とか言うような固い食物は食卓に上ることはありません。
医者たちまでが、顎は「歯ごたえ」のある物を噛み砕くためにできていることや、胃の構造が自然的な食物をそのまま消化するようにできていることを忘れています。
子供たちは、ことに軟らかい食物や、ミルクやスープ、即席ラーメンで育てられています。
彼らの顎や歯や顔の筋肉は、十分には働いていません。
体内の消化器官の筋肉や腺も、同様に違いありません。
また、食事を規則正しく摂ることができ、量もたっぷりになったことは、人類の生存に一つの大きな役割を果たしてきた機能‥即ち「食物の不足に対して適応する力」を殺してしまったのです。
原始時代の生活では、人間はしばしば絶食しなければならなかったものです。
食物が乏しくて、それを余儀なくされる場合ではなくても、自発的にこの苦しみに甘んずることもありました。
全ての宗教は、「断食」の必要を力説しています。
食物を摂らないと、初めには飢餓感が起こり、時には神経に一種の興奮を来すこともあります。
次いで体力が弱るのを感じます。
しかし、それと共に幾つもの、もっと重大な、隠れた現象を引き起こします。
即ち、肝臓の糖を始め、皮下に貯蔵された脂肪や、筋肉や腺や肝細胞のタンパク質が動員されます。
この続きは、次回掲載します。