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「健康な人」と「病む人」①
- 2020/03/15
今日では、この「病む人」「安楽でない人」を扱う場合には、個人的な要因だけでなく、社会的な要因であることを医師たちは知っています。
患者(病む人)の自覚症状(訴え)も重要でありますが、これは、今日の医学でいう病気‥客観的に、病的変化が見出されて、初めて病気として治療の対象になります‥の必要条件では必ずしもありません。
患者に自覚されなくても、将来重篤な病気へ発展することこともあり、生命を脅かす可能性のある場合には、「無自覚症状」の場合でも、医師の治療の対象になります。
従って、今日の科学的医学では、客観的に何らかの証拠があるのでなければ、病気(疾患)とはいえず、自覚的な症状だけでは病気として取り上げません。
例えば、どうも調子が悪いというので、医師を訪ねたとしますと、聴診・打診や血液、尿を調べ、X線や心電図を取るでしょう。
ですが、異常がなければ、「気のせいですよ、しっかりしなさい」と言われるのが関の山でしょう。
これは、いわゆる良心的な医師です。
また、健康診断をしてもらいますと、医師は、色々な検査をして、「異常なし」「依って健康なり」と言います。
これは、「健康とは、病気でないこと」と言う昔の定義が、そのまま残っているものとも考えられます。
伝染病のような比較的急性のものは、客観的な証拠が必要であり、その特異な症状がなければ、その病気ではありません。
従って、健康とみなすこともできた訳なのです。
この続きは、次回掲載します。