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心地よく働き、ぐっすり眠れるなら、あなたは「健康人」
- 2020/03/17
人間は、「心と身体」の複雑な存在であり、細かく調べれば、どこか異常(平均値から離れていること)と認められることが、必ず見出されるでしょう。
昔の哲人が「人間は不完全な(手作り)の存在」と言ったゆえんであります。
理想像から見れば、どこかに欠けているいるところもあるでしょう。
しかし、これによつて、健康、不健康を決めるわけにはいきません。
例えば、日本人の平均身長(標準)は165㎝としますと、それより高い、あるいは低いから不健康だと言えません。
また、左利きなどについても同様です。
不完全を補って生活していくのに、余り不自由がなく、苦痛・不快でないならば、健康と言うべきでしょう。
このような見方をすれば、人間は、それぞれの立場で健康の概念や在り方は違うのであって、一般的、平均的な標準値によつて、ここの人の健康、不健康を決めることはできません。
同じ女性だと言いましても、子供を持つ主婦と、ファッションモデル嬢とでは、身体・精神の必要条件も当然異なるはずであり、それぞれ健康、疾病の概念は違ってくるに違いありません。
また、男性から見て、理想とする女性像が、妻としてか、遊び相手としかによっても、違うのです。
また、時代によっても異なり、浮世絵の美人と現代のモデル嬢、ミロのヴィーナスと現代新鋭彫刻家の塑像とでは、身体的な構造の上からも、その完全(美)の理想とするところは、奇妙なくらい違います。
さらに、オフィスで働く人は、爪が剥がれたくらいでは、何の支障もありませんが、野球のピッチャーとしては致命的でしょう。
また、車椅子の人も、オフィスでは、何の支障もなく働けるのですから、健康であるわけです。
このように、全ての人が納得する健康・疾病の、言葉の上からの定義と言うものは、有り得ないのであり、その人の置かれた環境によって、健康にも、不健康にもなると言えます。
つまり、その人の環境への適応力によって、適応できれば健康、適応できなければ不健康・病気となって現れるのです。
最近アメリカでは健康管理のことを、「ガイド・ツー・フィットネス」(適応性へのガイド)と言うべきだという学者もいます。
この適応力を高めることこそ、健康生活であり、健康法であるわけです。
この人々の環境と適応力を無視しては、病気の予防も、健康の増進もあり得ないのです。