- トップページ
- >
- 風邪の薬物療法は、症状を和らげるのが目的
風邪の薬物療法は、症状を和らげるのが目的
- 2020/06/12
風邪の原因となるウイルスに直接効力を発揮する薬がないことは、前述しました。
ですから、医師の処方する、いわゆる風邪薬は、風邪による色々の症状を和らげるものに過ぎません。
例えば、喉の痛み、筋肉や関節の痛み、発熱などに対し、鎮痛・解毒作用を持つ薬物(アスピリン)がよく効きます。身体の節々の痛みに、腰痛が加わった時などには、非ステロイド性消炎鎮痛解熱剤が有効ですが、胃を悪くする可能性がありますので、内服を避けて座薬の形で用いられることもあります。
鼻風邪で、鼻づまりや鼻水が出て困る時には、抗ヒスタミン剤が良いわけですが、人によつてはこの薬を飲みますと眠くなりますので、車を運転する時や機械を使って仕事をする時には使用できません。
喉の痛みや腫れに対しては、うがいをしたり、トローチの使用も良いでしょう。
また、抗ヒスタミン剤は、喘息の患者さんでは、痰の切れが悪くなり、症状が悪化しますので、使用してはいけないことになっています。
気管支炎を起こして、咳が盛んに出る時には、咳止めが使用されます。
ただし、咳止めを多く用いますと、痰が出にくくなることがありますので注意を要します。
また、痰が出にくい時には、痰の切れを良くして出やすくする去痰剤が使用されます。
市販の総合感冒薬は、以上のような薬を万遍なく含んでいると考えてよいと思います。
ですから、その人の症状によっては不要の薬も含まれていますし、時にはあまり好ましくない成分も含まれているいることもないわけではありません。
従って、市販の薬で十分事足りることもありますし、上手くいかない場合もあります。
症状が取れない場合は、医師に診てもらい、症状にあった薬を処方してもらう方が良いでしょう。