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画像検査は必要ないということですか?
- 2020/07/19
特異的腰痛の確定診断には必要ですが、結果を気にし過ぎることはよくありません。
画像検査は、症候性の腰椎椎間板ヘルニアを始めとした特異的腰痛を確定するためには欠かせない検査です。しかしながら、特異的腰痛ではないということが分かったのであれば、その結果についてはあまり気にしない方が良いということが言えます。全項目でも触れましたが、欧米では画像の所見と腰痛とを関連付けるような印象を与える医療スタイルに批判が集まりつつあります。医師が「あなたの椎間板はすごく減っていますね」「骨の変形が強いですね」「骨ががズレていますね」「狭窄がありますね」といったネガティブな説明を患者さんにすることが、返って症状を治りづらくする要因になる可能性があります。こうした説明を聞いた患者さんは、腰に対するネガティブなイメージが強くなり、腰痛に対する不安や悲観的、破局的な考えを強めるとともに、身体を動かすことへの恐怖感が強まることも分かっています。専門的には「恐怖回避思考」(本ホームページ)といわれるものです。恐怖回避思考が強くなりますと、日常生活において、何かというと「腰痛があるから」と身体を動かさなくなるなど、活動性が次第に低下してきます。こうして腰を大事にし過ぎることが、返って予後を悪くするリスクになることが欧米の研究から分かっています。
<知っておきたい腰痛の新常識>
レントゲンやMRIの所見を見て、「変形している」「椎間板が詰まっている(傷んでいる)」「ズレがある」「ヘルニアがある」「分離症がある」などと言われますと、これらが腰痛の原因と思っていませんか?
<新常識>
画像所見のほとんどは、腰痛の原因を説明できません。また、今後腰痛で困り続けるかどうかの判断材料にもならないことが多いのです。依って、腰の画像所見をネガティブイメージで指摘されても、悲観する必要はありません。
〇ヘルニア像も含めこのような所見は、腰痛があろうがなかろうが、少なくともどれか一つは多くの人に見られます。逆に腰痛持ちでも画像に全く異常所見がない人もいます。
〇椎間板に負担が掛っている所見は、20代からみられることも珍しくありません。