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今後の腰痛対策はどのように行うと良いのでしょうか?
- 2020/07/26
<姿勢や動作への対策と心理的ストレスへの対策を並行して行うことが必要です>
多くの人が悩んでいる非特異的腰痛の危険因子として、腰への負担と心理社会的要因があることは既に記述しました。これら2つの要因(脊椎の機能障害と脳の機能障害)は非特異的腰痛で、悩んでいる人に併存していると考えられ、姿勢や動作に関わる痛みは運動器としての腰自体の障害(脊椎の機能障害)が主因で、日常の心理的なストレスが強くなれば、脳の機能障害が主因となりうるといったように、変化していく可能性が考えられます。加えて前述したとおり、心理的ストレスを抱えていますと脊椎の機能障害を招きやすくなります。
このため、腰痛対策においては動作や姿勢への対策とともに、心理的ストレス対策を並行して行うことがポイントになります。両者は車の両輪であると考えればよいでしょう。2つの方面からの対策をうまく組み合わせることによって、新たな腰痛の発症や再発の予防(1次予防)はもちろん軽い腰痛の人に対して重症化させない効果(2次予防)が期待できます。さらに、既に支障度の高い人に対しましては、痛みのコントロールを可能なレベルに戻し、かつ支障度の高い腰痛の再発を予防する(3次予防)ためにも重要な対策法であると考えます。
【今後の腰椎対策のコンセプト】
<仕事に支障来す腰痛が起こったり、長引いたりする危険因子は何か?>
1.腰への負担に関わる問題(脊椎の機能障害)
従来から指摘されている介護作業や運搬といった、持ち上げ動作や前屈み動作が頻繁な作業に関わっていることが、重要な危険因子であることは間違いありません。
(腰への負担に関わる問題への対策)
2.心理・社会的な問題(脳の機能障害)
職場で人間関係のストレスがあることや周囲のサポートが少ないこと、仕事のやりがいが低いこと、腰痛に対する過剰な不安や恐れ感(恐怖回避思考・行動)といった心理・社会面の問題も無視できない重要な危険因子であることが分かってきました。
(心理・社会的な問題への対策)
「腰への負担に関わる問題」に加え、「心理・社会的な問題」への対策も重要です!
つまり、両者は『腰痛対策の車の両輪』なのです!