- トップページ
- >
- 肥満者向け軽運動指導「10策」
肥満者向け軽運動指導「10策」
- 2020/08/06
肥満者に運動指導を行いますと膝痛や腰痛が比較的早期に発生しやすいことが報告されています。ここで障害(膝痛や腰痛)は運動負荷に伴うメカニカルなストレスが原因の運動器が多いと考えてよいでしょう。下記に、不活動な状態に陥っている肥満者を想定しました運動器を起こさず軽運動の習慣化を目指した10策を紹介します。
1.歩数計の携帯を義務化し、現状の1日歩数と体重を1~2週間を目安に記録します。
・歩数計を携帯しますと、確実に身体活動が増えるというエビデンスがあります。
・軌道に乗るまでの数カ月は、減量しようとせず現状を維持できれば良いと指導しましょう。
2.歩数は週ごとに500~1,000歩増やすことを目安とさせます。決して焦らせないことです。少しでも歩数が増える傾向にあれば、その都度褒めてモチベーションを維持させます。第1目標としては、最近の国民平均値に近い1日7,000~8,000歩としますが、厚生労働省が健康日本21で理想値としている「1日1万歩」を達成目標とします。
・1万歩を目指すという高い目標を明確に意識した方が、目標を達成する可能性が高まります。
3.下を見ず100m先を見据え、やや速足で、風景を感じながら歩くように指導します。
4.仕事中でも、家でも、屋内でのこまめな活動、入口から遠い場所への駐車、改札から遠い車両に乗車といったちょっとした努力と工夫が、歩数を稼ぐコツであることを教育します。
5..BMIが25㎏/㎡未満になるまでは、膝への負担に配慮し、階段や坂道歩行、ジョギングは基本的に避けさせます。
6.通勤時などの自転車走行で代用可能なことを提示します。(可能な場合)
・通常の自転車走行10分を1,000歩と換算させましょう。
7.プールを利用しやすい環境にある方は、浮力により運動器へのメカニカルストレスが減るゆっくりとした水中歩行を積極的に導入するように指導します。
・ゆっくり歩く水中歩行10分を1,000歩と換算させましょう。
8.10分以上の運動(主に歩行)をする前後には、前述しました「これだけ体操」を習慣化することを徹底させます。
9.腰に違和感を感じた場合には、早めに座れる場女を探し、腰を屈める「これだけ体操」を行うよう指導します。
10.急激に過活動になりますと反動で長続きしない場合もありますので、1日歩数が8,000歩を超えた段階で敢えて無理をしない休養日を設けても良いと提案します。