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肥満者への運動指導
- 2020/08/05
<運動習慣を促す説明法の工夫>
これまで記述してきた知見から、肥満症では肥大化した脂肪細胞が分泌するアディポカンが関与した全身的な炎症が、軽微な関節炎や神経炎を起こしうるという認識を持つ必要があるでしょう。メタボ対策として運動指導を開始する際には「脂肪細胞の肥大化を防止・軽減することよりアディポカンによる全身的な炎症が抑制され、メタボ予防になることはもちろんのこと、関節痛や腰痛・神経痛の予防にもつながる」と説明した方が、「減量すると足腰の負担が減る」という従来の考え方のみを提示するよりも、運動を開始・継続する動機付けの一助となりうるのではないかと考えています。加えて、ウォーキングや自転車走行といった一定のペースでの運動をしますと「脳内のセロトニンが増えて脳の機能障害の改善や予防にも役立つ」という情報も付け加えると良いでしょう。