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視診(意義と方法)
- 2020/09/07
<視診>
1.意義と方法
視診が疾患の診断に与える情報は大きいです。例えば、胸痛を主訴としているお客さまの胸背部に帯状に発赤・水泡を認めた場合は帯状疱疹が示唆されます。全身倦怠感・食欲不振を訴えるお客さまの皮膚あるいは眼球結膜が黄染している際は肝疾患が考えられます。バセドウ病・先端巨大症などの内分泌疾患や、パーキンソン病・舞踏病などの神経疾患は、一見しただけでも特徴的な所見から診断できることがあります。ただし、このような場合でも身体各部の診察を怠ってはなりません。そしてその診断が正しいことを裏付けるとともに、合併症の存在を見逃さないようにしなければなりません。
お客さまが診察室に入ってきた時点から視診を始めます。体格・表情・身だしなみ・歩行などの動作等について先ず観察します。これらは医療面接を行っている間にも並行して行います。次いで、実際にお客さまの全身的状態から観察を行い、症状に応じて局所の視診に移ります。所見の見落としがないよう、一定の順序で全身にわたって詳細に視診を行います。