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聴診(意義と方法)
- 2020/09/17
<聴診>
(1)意義と方法
身体内部では、呼吸運動に伴う空気の出入り、心臓の鼓動、腸管の蠕動などによって自然に音が発生しています。病変が起こりますと、これらの自然に発生する音に変化が生じたり、通常では聞こえないような音が発生したりします。聴診では、身体内部に発生する音を聴き分け、異常の有無を診断します。
長身の方法には、お客さまの身体表面に診察者が耳を直接当てて聴く方法(直接法)と、聴診器を当てて聴く方法(関節法)があります。緊急時を除き、関節法で聴診するのが一般的です。
聴診器は、普通左右両耳に当てて聴診する双耳型を用います。双耳型聴診器には種々の型がありますが、基本的には、採音部・挿耳部および両者を結ぶゴム管からなっており、採音部をお客さまに当てて体内の音を聴き取ります。
採音部にはベル型と膜型の2型があります。ベル型は主として低周波(低調)の音を、膜型は高周波(高調)の音を聴くのに適しています。実際には両者を使い分けて体内で発する音を聴き逃さないようにします。
聴診は、心臓の心音、心雑音、肺野の呼吸音、副雑音(呼吸雑音)、腹部の腸雑音などの診察に重要です。