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脈拍
- 2020/10/02
<脈拍>
脈拍は、心臓の拍動に伴って起こる動脈の拍動を指します。脈拍の触診は循環器疾患の診察だけでなく、生命徴候の1つとして全身状態を示す指標として意義があります。脈拍の触診は、動脈が体表に近い位置を走行し、かつ骨などの硬い組織に対してその動脈を圧迫できるような部位で行います。橈骨動脈、上腕動脈、頸動脈、腋窩動脈、大腿動脈、足背動脈などがその目的に適していますが、通常は、橈骨動脈で触診します。
お客さまの手掌を上に向け、橈骨茎状突起の高さで、橈骨動脈の上に検者の示・中・環の3指を置いて触診します。この際、お客さまの腕は特に屈曲させないで、自然のままに軽く曲げる程度にします。通常、橈骨動脈は母指から中心部に向かって手掌側に触知されますが、時には異常走行によつて橈骨の上を越えて手背側から手に入り込んでいることがあります。このようなお客さまでは、橈骨の上を越える部位で触診すると良いです。
脈拍は左右では普通差は見られません。しかし、動脈疾患(動脈硬化症、動脈瘤、血管炎など)や縦隔腫瘍、上腕部の異常などでは左右の脈拍に差が生じていることがあります。このため、診察では左右両側を同時に触診し、左右の脈拍に差がないことが分かりましたら、一側で詳しく触診すると良いです。また、脈なし病(大動脈炎症候群)では、橈骨動脈を触れないことがあります。この場合には、上腕動脈、鎖骨下動脈、頸動脈、下肢の動脈などの触診を丹念に行います。
脈拍の触診では、脈拍数だけでなく、調律(リズム)、大きさ、遅速、緊張、血管壁の性状などについても観察します。