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皮膚、粘膜、皮下組織(浮腫 その2)
- 2020/12/21
<皮膚、粘膜、皮下組織>
5.浮腫
(1)心原性浮腫
様々な心疾患によります心不全でみられ、呼吸困難、静脈怒張、チアノーゼなどを伴うことが多いです。重力の影響から下肢に発生しやすく、高度になりますと顔面など全身に及びます。初期には、夕方になりますと靴が窮屈に感じられることなどで気付かされます。
(2)腎性浮腫
腎炎、ネフローゼ症候群などでみられ、ネフローゼ症候群の時は一般に高度の浮腫が全身に出現します。腎炎の時は、上眼瞼など顔面から出現しやすいです(眼瞼浮腫)、腎性浮腫では、タンパク尿、血尿などの尿所見や高血圧を伴います。
(3)肝性浮腫
肝硬変など重症の肝障害でみられます。肝臓腫大、門脈圧の亢進により、腹水、腹壁静脈怒張(メズサの頭)なども見られます。
(4)低栄養浮腫
長期間にわたる不適切な食事や、悪性腫瘍末期などの悪液質で見られます。低タンパク血症を伴うことが多いです。
(5)その他
内分泌疾患(甲状腺、下垂体、副腎などの異常)、高度の貧血などでも見られるほか、原因を明確にできないこともあります(突発性浮腫)。