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下肢帯の骨(骨盤)
- 2020/12/31
<運動器系・全身の骨格>
4.下肢の骨格
(1)下肢帯の骨
②骨盤
左右の寛骨と仙骨・尾骨とで作られています「骨の器」です。骨盤の前方では、左右の寛骨(恥骨)が恥骨結合によつて軟骨性の連結をします。後方では、仙骨と寛骨とが耳状面で仙腸関節を作って連結するほか、仙腸靭帯・仙棘靭帯・仙結節靭帯によって強く固定されます。骨盤は、体重を脊柱から自由下肢の骨に伝達する支持骨格であるとともに、骨盤内臓(膀胱・子宮・卵巣・直腸など)を保持する保護骨格でもあります。このように骨盤には安定性が求められることから、仙腸関節は周囲を強固な靭帯で覆ってほとんど動かない半関節です。
骨盤底の前方には、恥骨結合によって、恥骨下面に恥骨弓が作られ、その角度を恥骨下角と言います。恥骨結合上縁より、恥骨上縁を通り腸骨内面にあります弓状線を経て、仙骨の岬角に終わるラインを分解線と言います。分解線によって骨盤は、上部の大骨盤と下部の小骨盤に分けられます。小骨盤の囲む円筒形の空間は骨盤腔で、分解線に沿う骨盤上口と、骨盤底にできた骨盤下口の間に相当します。骨盤腔には骨盤内臓が入り、分娩の時には産道となります。骨盤は、骨格の中で最も大きい性差を示す骨格です。
注:直立位の時、骨盤は前方に傾斜します(骨盤傾斜)。その時の骨盤上口と水平面とがなす角度は55~60°です。座位では、骨盤傾斜は0°になります。骨盤上口・骨盤下口の中心を結ぶ線を骨盤軸と呼び、分娩の時に胎児の頭はこの骨盤軸に沿って産道を通過します。