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自由下肢の骨(大腿骨)

2021/01/01

<運動器系・全身の骨格>

4.下肢の骨格

(2)自由下肢の骨

①大腿骨

大腿骨は人体で最も大きな骨で、その長さは身長に比例します。上端に球状の大腿骨頭があり、寛骨臼にはまって股関節を成します。大腿骨頭からは外側下方に傾いた大腿骨頸が続きます。さらに、大腿骨は大腿骨頭と大腿骨体と移行部で角度を成して曲がります。これを頸体角と言います。

大腿骨頭の基部の外側上方には大転子、内側下方に小転子という隆起があります。大転子の内側面は深く窪み、転子窩と言います。大転子には外寛骨筋が集中し、小転子には寛骨内面からの筋がつきます。

大腿骨前面では、大転子と小転子の間に転子間線という粗な線が斜走します。これは股関節を補強する靭帯の付着痕です。一方、大腿骨後面で大転子と小転子の間に転子間稜があります。転子間稜の下方には、大殿筋がつく殿筋粗面があります。

骨幹は大腿骨体と言われ、円柱状で前方に軽く弯曲します。前面は平滑ですが、後面には粗線という縦に走る線状の隆起があります。粗線をよく観察しますと、上方と下方で互いに分離する2本の稜線から構成されることが分かります。これが粗線の内側唇と外側唇です。粗線は直立二足歩行に必要な筋の付着によってできたもので、内側唇に大腿四頭筋の内側縁や内転筋群がつき、外側唇には大腿四頭筋の外側縁や大腿二頭筋の短頭が付着します。

大腿骨の下端は次第に横幅が広がり、2つ並んだ楕円形の隆起であります内側顆と外側顆になって脛骨の上面と関節します(膝関節)。内側顆と外側顆の後面では、両顆の間が大きく窪んで顆間窩を作ります。内側顆と外側顆の前面には、膝蓋骨と関節します滑面があります(膝蓋面)。また、内側顆と外側顆の側方には、内側上顆と外側上顆が出ます。両上顆には、膝関節の側副靭帯のほか下腿の筋が付着します。

注:頸体角は通常120~130°です。幼児では頸部の傾きが弱くて垂直に近く、成人女性では骨盤が横に広いため、男性よりも頸部の傾きが大きいです。

 

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