- トップページ
- >
- 化生(化成の意味)
化生(化成の意味)
- 2021/01/04
<退行性病変>
3.化生
(1)化生の意味
化生の意味するところは、局所条件の変化に対する一種の適応現象とも言えるでしょう。気管支に例を取れば、化学的刺激や炎症によって上肢の剥離と再生が繰り返されるうちに、円柱上皮とその下列にあります基底細胞(予備範囲)が重層扁平上皮化します。これは、円柱上皮が剥脱し、基底細胞→円柱上皮の正常過程が偏向して、扁平上皮に変わったもので、この方が病的刺激に対し安定した形態なのであります。尿路系に見られる移行上皮→扁平上皮化生の場合でも同じようなことが言えます。しかし、視点を変え、酸素系特にアイソザイムなどの生化学的解析からは、化生と言われるものの中には、母組織の分化表現方向の転換とばかりは言い切れない場合もあり、ある種の遺伝子形質変換では、腫瘍発生の可能性も含んでいるものであります。従って、化生を腫瘍発生の前駆症状とみなす考えもあります。
注:遺伝子形質変換
突然変異などによる遺伝子の組み換えで起こります個体の新しい性質の変換を言います。