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創傷治癒・組織内異物の処理創傷治癒(異物の処理:異物の排除)
- 2021/01/14
<創傷治癒・組織内異物の処理>
2.異物の処理
①異物の排除
異物の性質により、融解つれうるものや、場所によっては外界へ排泄されるものがあります。大葉性肺炎(肺炎双球菌性肺炎)では、大量の線維素塊が炎症滲出物として肺胞腔を充填しますが(線維素性炎)、その後出現します白血球の崩壊によって遊離するライソソームのタンパク分解酵素が線維素を融解し、痰として大部分は完全に排出されます。また、肺胞内に入った塵埃は、肺胞内の貧食細胞に貧食され、気道を経て喀出されるか、リンパ節へ移動し、沈着し排除されます(肺周囲リンパ節の炭粉症)。赤血球や白血球の死んだものは大貧食細胞(マクロファージ)によって貧食され、特に肺胞内に入った塵埃は、ヘモグロビンがヘモジデリンに分解されしばらく残りますが、その中のフェリチンは再び体内の鉄代謝経路に入ります。また、小さな壊死組織なども白血球の融解酵素の作用を受けたのち、マクロファージに貧食され排除されます。
注:リンパ節の炭粉症
気道を通して吸い込まれた煙草の煙などの炭粉微粒子が、肺胞内でマクロファージに貧食され、所属リンパ節へ移動し沈着したもので、リンパ節は斑点状に黒くなります。病的な意義はありません。