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創傷治癒・組織内異物の処理創傷治癒(被包)
- 2021/01/16
<創傷治癒・組織内異物の処理>
2.異物の処理
(3)被包
異物が完全に吸収されたり、肉芽組織で置き換えできないような場合は、周囲に生じた肉芽が異物を包囲し、線維性に包み込んでしまいます。例えば、絹糸のような縫合糸とか、珪酸塩、石綿、トロトラスト、寄生虫などに対しましては、普通のマクロファージのほか、それらが細胞融合してできた多数の多角異物巨細胞が出現して異物を貧食する一方、線維芽細胞による線維形成も加わり、結節状に発達した異物内芽腫ができます。肉芽腫と言いましても、この場合、通常の腫瘍ではなく、炎症性のものです。
その他、体表面から深いところにできた腫瘍で、容易に吸収したり、外に排除できない場合、その周辺に肉芽組織ができて腫瘍を分画被包化します。長い間には、腫瘍は石灰化することもあります。また、大きな血種が被包化されることもあります。