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循環障害と滲出②
- 2021/01/22
<炎症>
1.炎症の一般
(1)循環障害と滲出
第2相では、毛細血管壁の拡張に加え、前述しました起炎因子の働きで、内皮細胞空間の間隙が開き、透過性が亢進して血漿成分が血管外に流出します。初めは分子サイズの小さなアルブミンから、次いでグロブリン、最後に分子の大きなフィブリノゲンの順序で滲出が起こります。このようにして、血管外に漏れ出たものを滲出物と言います。この場合は、血清滲出物で、血清タンパクが組織リンパに混じってくるため、濃度が高まり浸透圧が高くなって、周囲から水を吸収し、組織は腫れあがります。これは炎症性の浮腫(腫脹)です。
血流がうっ滞してきますと、白血球は、正常では血流の中心帯を流れていたものが、辺延滞へ落ち込み、血管壁に付着するに至ります。このような白血球は、内皮細胞の間隙からアメーバ運動で次々と血管外へ泳ぎ出すのです。
この続きは、次回に掲載します。