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炎症の経過
- 2021/01/25
<炎症>
1.炎症の一般
(3)炎症の経過
炎症の経過は、その原因となる障害因子と、生体のおかれている内部環境の差との組み合わせで、個々の症例で全く千差万別です。
時期的には、急性、亜急性、亜慢性、慢性、治癒期などの移り変わりを辿り、軽度から中等度・高度・致死的までの症状を示します。しかも炎症という現象は、病原細菌を例に取れば、細菌の攻撃力と生体の防衛能との戦いでありますから、そのバランスの働きで絶えず流動しながら経過します。時期的にも、炎症の強度と個体の反応相により、必ずしも一定の組織像を示すとは限らず、違った時期のものが混在しているのが普通です。しかし、大まかに言って、滲出は急性の時期に相当し、増殖は慢性または亜慢性期に相当すると考えてよいです。