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漿液性炎
- 2021/01/28
<炎症>
2.炎症の分類
(1)漿液性炎
炎症性滲出物が、痰黄色、透明、細胞成分に乏しく、線維素成分をほとんど含まないものです。結合組織の中にこの滲出が起きますと、炎症性浮腫となり、表皮間ないし表皮下に溜まるのが熱湯の水泡や擦過によります「マメ」などです。胸腔、腹腔や関節腔に起きますと、漿液性の胸膜炎、腹膜炎、関節炎などと呼ばれます。粘膜面に漿液性炎症が起き、漿液が流れ出る状態はカタルと言われ、風邪などのカタル性鼻炎があります。コレラの場合も、大量の水様便が排出されるのが特徴ですが、これは病原体のコレラ菌が腸内腔で繁殖し、粘膜上皮の透過性を増強して、大量の水とミネラルを血漿成分と共に腔内に放出されるからです。
漿液性炎は、ウイルス・細菌によってもたらされますが、組織の損失を伴わないので、治癒する場合はほとんど痕跡を残しません。