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顔面頭蓋(副鼻腔)
- 2021/01/31
<運動器系・全身の骨格>
5.頭蓋骨
(1)頭蓋骨の成り立ち
①顔面頭蓋
ハ.副鼻腔
副鼻腔とは、鼻腔を取り囲む骨の内部にできた空洞のことで、いずれも鼻腔と交通し、内面には鼻腔と連続します鼻粘膜が覆います。副鼻腔には、上顎洞・蝶形骨洞・前頭洞・篩骨洞(篩骨蜂巣)の4つがあります。
a.上顎洞
上顎骨体内の大きな空洞で、最大の副鼻腔です。上顎度の底には歯根に近接するほど深いですが、鼻腔への開口部は上方にあって中鼻道に開きます。この開口部は三日月状で半月裂孔と言います。
b.蝶形骨洞
蝶形骨体内に左右1対あり、直ぐ上にはトルコ鞍があります。鼻腔の後上方(蝶篩陥凹)に左右別々に開口します。
c.前頭洞
前頭骨にあります左右1対の空洞で、左右別々に半月裂孔の前上端で中鼻道に開きます。
d.篩骨洞(篩骨蜂巣)
鼻腔の上前方で、篩板の両脇に位置します篩骨迷路の中にあります多数の小胞で、中鼻道と上鼻道に開きます。
注1:生体の鼻中隔では、篩骨と鋤骨の前方には板状の硝子軟骨(鼻中隔軟骨)がついて左右の鼻腔を仕切ります。
注2:鼻腔粘膜の炎症(鼻炎)は、しばしば副鼻腔の粘膜に波及して、副鼻腔炎を引き起こします。一般に副鼻腔から鼻腔への開口通路は狭く、また、上顎洞などでは開口が高い位置にありますので、副鼻腔炎の際には膿の排出が容易ではありません。膿が副鼻腔に溜まることを蓄膿症と言います。