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特異性炎③
- 2021/02/08
<炎症>
2.炎症の分類
(4)特異性炎
梅毒の場合は、中心部に壊死巣があり、周囲をマクロファージが囲んでいますが、一般に類上皮細胞反応は結核ほど強くありません。巨細胞も時に見られます。最外層には、リンパ球、形質細胞が目立ち、線維芽細胞が取り巻いています。全体としまして線維形成が豊富でゴム様の弾性があります。ゴム腫と呼ばれます。梅毒第3期に見られます。
ハンセン病(らい:やまいだれに頼ると書きます)では、らい腫と言われる肉芽腫ができます。中心壊死ではなく、細胞質に多数の脂肪変性に陥った類上皮細胞と巨細胞を交える浸潤が中心にあり、リンパ球が周辺を囲みます。
サルコイドーシスは、結核に近似しますが、中心に壊死巣がなく、類上皮細胞の集合からなる結節病変をつくります。リンパ節や肺が主に侵される臓器で、原因は不明です。
野兎病は、皮膚やリンパ腺などに結核に似た結節病変をつくり、腸チフスでは、小腸などの患部にマクロファージの小集族からなる結節病変をつくります。