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横隔膜
- 2021/02/18
<運動器系・体幹>
1.体幹の筋
(1)胸郭
③横隔膜
横隔膜は、胸腔と腹腔を隔てる横紋筋でできた膜状の融壁です。胸郭下口の周囲から起こった筋がドーム状に集まり、第4~5肋骨の高さの頂上部に、停止腱がクローバー型の腱中心を作ります。横隔膜が収縮しますと、胸腔内に深く入り込んでいるドームの屋根が低くなり胸腔を広げることになり、主要な吸気筋として働きます。
横隔膜は、胸郭下口を閉ざしているため、胸腔と腹腔を連絡する構造物によって貫かれ、主に下記の3孔が生じます。
〇大動脈裂孔:第12胸椎の錐体前面にあり、下行大動脈と動脈周囲交感神経叢(大・小内臓神経など)、奇静脈、胸管などが通ります。
〇食道裂孔:第10胸椎の高さで大動脈裂孔の左前上方にあり、食道と、左右の迷走神経が通ります。
〇大動脈孔:第8胸椎の高さで腱中心にあり、右寄りに位置します。下大動脈が通ります。
横隔膜の上面は胸膜に、下面の大部分は腹膜に覆われ、肝臓・胃などの腹腔臓器を入れ保護しています。裂孔の周りの筋束はハチマキ状に走り、腸管などの裂孔からの脱出を防いでいます。横隔膜ヘルニアの中では、食道裂孔を通るもの(食道ヘルニア)が最も多いです。