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前腹筋(腹直筋)
- 2021/02/20
<運動器系・体幹>
1.体幹の筋
(2)腹筋
①前腹筋
イ.腹直筋
臍の両脇を縦に走る帯状の筋で、上部では筋の幅は広く、下部では幅が減少しますが厚さは増大します。途中には中間腱としての機能を持ちます3~4本の腱画が筋を横切るように並んでいます。体操や重量挙げの選手のように筋の発達した人では、体表からその筋の輪郭を観察できます。腹直筋の前面と後面は、腹直筋鞘(前葉と後葉)に覆われています。この筋鞘は側腹筋であります外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋の停止腱膜が正中線近くで癒合して作られます。左右両脇の腹直筋鞘の線維は正中線上でお互いに交錯癒合し、剣状突起から恥骨結節まで続く強い紐状の白線を作ります。白線は臍の所で臍動脈・臍静脈を通していた孔を囲んで臍輪を作ります。臍輪は生後、次第に縮小し閉鎖しますが、閉鎖が不完全な時には、腹圧が高まりますと臍輪から腸が脱出して臍ヘルニアが起こります。臍輪から約3cm下方で腹直筋鞘後葉が終わり、その下縁である弓状線が明瞭に認められます。これより下方では腹直筋の後面は、直接横筋筋膜に接しており、容易に腹腔に到達することができます。