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腫瘍の組織学①
- 2021/02/22
<腫瘍>
1.腫瘍の一般
(4)腫瘍の組織学
腫瘍と言えども、生きて増殖していくためには、必要な栄養要求を満たすに足る組織構造を持たなければなりません。即ち、腫瘍細胞集団はそれを支持する血管や結合組織からなります間質を備えておりますので、それによってできあがる腫瘍の組織構築は、多少なりとも母地組織に似た組み立てを取ります。そういう意味で腫瘍は、一種の母地器官に類似した構造を作る性格があり、良性腫瘍ほどその傾向が強いです。悪性腫瘍は、その点かなり乱れているのが普通でありますが、例外的に肝細胞がんのように、正常の器官構造をかなりの程度に再現しているものもあります。
腫瘍組織では、腫瘍細胞を腫瘍実質と呼び、血管と間質支持組織は腫瘍間質と呼ばれています。そこで、次に上皮性腫瘍と非上皮性腫瘍で実質・間質の関係はどうなっているのか、また、腫瘍細胞の分化度との関係はどうかについて記述します。
この続きは、次回掲載します。