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腫瘍の組織学②
- 2021/02/23
<腫瘍>
1.腫瘍の一般
(4)腫瘍の組織学
正常組織は、皮膚、呼吸器、消化器、泌尿器などの粘膜上皮や腺管上皮などのように、臓器組織の管腔表層を被う上皮性組織と、間葉組織に由来する結合組織、骨・軟骨、脂肪、筋肉などの非上皮性組織とそれ以外の組織に分けることができます。これら2つの系から出た腫瘍は、それぞれ大きな特徴を備えていて区別することが可能です。また、上皮性の悪性腫瘍を一般にがんと言い、非上皮性悪性腫瘍を肉腫と呼んでいます。従って、巷によく骨のがんとか、白血病のことを血液のがんなどと言ういいますのは、病理学的には正確な言い方ではありません。
上皮由来の腫瘍は、正常の上皮が相互に接着して表面を被う性質を持っているように、お互い同士が接着し合い、管腔を形成したり、充実した腫瘍塊を作りながら増殖します。
このような腫瘍実質細胞の集合したものが、血管や結合組織からなります間質で取り込まれているものが原型を成しているので、これを組織切片の断面で見ますと腫瘍組織が峰窩状に見えます。窩に相当するところが腫瘍実質で、壁が間質に当たります。これに対し非上皮腫瘍では、腫瘍実質と間とは比較的緊密に混じり合っていて、上皮系のような特徴は見られません。
この続きは、次回頸椎します。