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側腹筋②
- 2021/02/23
<運動器系・体幹>
1.体幹の筋
(2)腹筋
②側腹筋
ハ.腹横筋
側腹筋の最内層にあり、筋束はほぼ水平に横走して腱膜となり、腹直筋鞘につきます。肋間神経より内側に位置します。
二.鼠径靭帯と鼠径管
鼠径靭帯は外腹斜筋の停止腱膜の下縁が肥厚して靭帯となって、上前腸骨棘と恥骨結節との間に張ったものです。鼠径管は、鼠径靭帯の上縁に沿って斜め内下方に向かって走る側腹筋のトンネルで、その長さは、成人では約4cmあります。腹腔側の入口は深鼠径輪といい、鼠径靭帯のほぼ中央にあり、内下方に斜走して恥骨結合の直ぐ上方の浅鼠径輪で腹壁の外に出ます。ここを男性では精管と精巣動・静脈を含む精索が、女性では子宮内索という結合組織のひもが通ります。
注:胎児期に精巣というネズミが腹腔から陰嚢へと下降していった径であるところから、鼠径という名があります。鼠径管は前腹壁における抵抗の弱い場所であり、ヘルニアの好発部位となります。成長と共に鼠径管は長くかつ斜走するようになりますが、新生児では鼠径管は短く、深鼠径輪は浅鼠径輪ののほぼ後方にありますので、ヘルニアを起こしやすいです。特に男児では、精巣が腹腔から陰嚢に下降した後の腹膜の閉鎖が不完全ですと、鼠径ヘルニアになりやすいです。