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腫瘍の増殖と進展①
- 2021/03/01
<腫瘍>
1.腫瘍の一般
(6)腫瘍の発生と諸段階
③がんの増殖は、局所的で拡張性の場合と、反対に広汎的で浸潤性の場合とがあり、拡張性のように、周辺の組織と分画線を作りまとまって増殖している間は予後も比較的良好です。がんは進展するにつれて、増殖の前線がちょうど木の根が土壌内へどんどん根を張っていくようにバラバラに小集団で浸潤していくようになり、リンパ管や血管内へも入り込みます。このようになりますと予後も不良になります。腫瘍の増殖と進展度を表す方法としてTNM分類があり、予後と密接な関係があります。また、進行胃がんの肉眼分類がよく知られています。
がんのもっとも特徴的で、恐れられている性質の1つに転移があります。比較的良質のがんは、拡張的増殖で局所に留まりますが、未分化のがんは浸潤性で、転移しやすいです。転移には、血行性とリンパ行性の型式があり、血行性は血管から侵入したがん細胞が血流に乗って全身に拡がるものに対し、リンパ行性は、リンパ流沿いにリンパ節からリンパ節へと転移します。
この続きは、次回掲載します。