- トップページ
- >
- 腫瘍の生体に及ぼす影響
腫瘍の生体に及ぼす影響
- 2021/03/03
<腫瘍>
1.腫瘍の一般
(7)腫瘍の生体に及ぼす影響
がんのできた局所の障害と腫瘍による全身への影響に分けることができますが、局所の臓器の機能障害が全身に著しい影響を与えることが多いので、実際にははっきり分けられることが多いのです。
①局所の病変
イ.管腔の閉塞
消化器、胆管、気道、尿路、血管の閉塞により、関連する臓器を著しく障害します。
ロ.臓器の破壊による機能喪失
直接または転移が広汎に起こった場合です。
ハ.がんからの出血
特に消化管などでは、消化液によるがんの潰瘍形成などから出血を招き、貧血から失血死を招きます。
二.細菌感染
がん壊死部及び管閉塞による分泌流失不全に基づく感染、例えば肝膿瘍や肺炎を併発します。
ホ.骨転移
骨折、貧血や高カルシウム血症を呈します。
へ.脳転移
転移局所の機能障害のほか、脳浮腫、出血などにより中枢神経障害をもたらします。
注:脳浮腫
脳組織の代謝または循環障害により、細胞内外に異常な水分貯留を来した状態を言います。脳圧亢進を来し、致死的になりうります。脳内の全ての疾患、例えば出血、感染、腫瘍など、及び脳外の要素として、低酸素、代謝障害、循環障害などが原因となります。