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発がん因子(物理的因子)
- 2021/03/06
<腫瘍>
1.腫瘍の一般
(8)腫瘍の原因発生
①がんの外因
イ.発がん因子
a.物理的因子
物理的なものに、放射線があります。広島(主に中性子線とγ線)、長崎(主にγ線)における原爆の被爆は、白血病、その他のがんの発生率を増加させ、特に広島では、原爆投下地点の2㎞以内に居住し原爆による直接死を免れた人々に慢性骨髄性白血病が高率に発生しました。また、被爆時妊娠中であった母親から生まれた子供だけでなく、妊娠前の被爆でも、後で生まれた子供に白血病の発生率がやや高いと言われています。
被爆との関係は、白血病以外では、甲状腺がん、肺がん、乳がんが疑われています。甲状腺がんはビキニ水域における水爆実験で原住民に高率に見出されています。
その他、体内に導入された放射線元素からの照射では、ラジウム(α線)では骨肉腫が、トロトラスト(α線)では肝がんの多発が知られています。放射線以外のものでは、紫外線によります皮膚がんなどがあります。
注:慢性骨髄性白血病
慢性に経過します白血病で、大きな脾腫と白血球の増多(10~30万/mm²)があります。急性のものと異なり、各種成熟段階の白血球が出現していますが、骨髄像では病的骨髄芽球を交えます。最後に急性悪化に陥り死に至ります。3年ぐらいの経過を辿ります。