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発がん因子(加算効果)
- 2021/03/08
<腫瘍>
1.腫瘍の一般
(8)腫瘍の発生原因
①がんの外因
イ.発がん因子
c.加算効果
物理的、化学的発がん物質による作用についていえば、その最も特徴とするところは、蓄積効果のあるところです。即ち、ある発がん物質を一度投与し、その量が発がん効果として十分でなかった場合、つまり、それだけでは放置しておいても腫瘍の発生が認められない場合でも、その効果は残っていて、長い間隔を置いて同じものか異なるがん原刺激が与えられますと、刺激の総量が閾値を越えた段階で発がんします。これを加算効果と言います。
しかし、加算説でも発がん因子の種類や総和が問題になるだけでなく、これを受ける側の性、年齢、免疫、遺伝などの因子も含めて考える必要があります。一定量の発がん因子が与えられても、これを受ける生体側の感受性いかんによって、その閾値は変わってきます。つまり、発ガンに必要な発がん因子の総量は、個体によつて同じではないことになります。