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がんの内因(遺伝的素因)
- 2021/03/14
<腫瘍>
1.腫瘍の一般
(8)腫瘍の発生原因
②がんの内因
腫瘍の発生の内因としましては、病気の内因で取り上げました、遺伝的素因、内分泌、免疫の問題があります。
イ.遺伝的素因
多くの腫瘍は多少とも遺伝的な影響を受けて発生すると考えられますが、遺伝的素因の関与が証明されている疾患はそれほど多くはありません。家族性ポリポーシス症に発生します大腸がん、遺伝性網膜芽細胞腫、色素性乾皮症、レックリングハンゼン病(神経線維腫症)、多発性内分泌腺腫症などは代表的な遺伝性(家族性)腫瘍です。家族性大腸ポリポーシス症は5q22染色体のAPC遺伝子に異常があることが判明していますが、これとは別に遺伝性の多発大腸がん(HNPCC)を発生する家系も見つかっています。
注1:網膜芽細胞腫
小児の網膜にできる悪性腫瘍で、胎児期の網膜芽細胞から発生したものです。遺伝性が重視されています。
注2:色素性乾皮症
光線過敏症があり、生後1年以内に発症します。日光により日焼けを繰り返し、その場所に、皮膚の乾燥、落屑、色素沈着、萎縮を起こします。間もなくその部に増殖性変化が現れ、皮膚がんへと進みます。