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胸郭
- 2021/03/19
<運動器系・体幹>
3.体幹の局所解剖
(1)胸部
胸部は、胸郭及びこれに保護された胸郭内臓と、上肢と体幹を連結する上肢帯及びその筋からなります。
①胸郭
胸郭の上半は、前方を大胸筋と鎖骨、後面を肩甲骨とこれにつく筋によって補強されてます。胸郭は、骨性胸郭と肋間筋及び付着する結合組織からなり、肋間筋を主体とした結合組織性胸郭壁の厚さは、内面に着く壁側胸膜を含めても数mmしかありません。胸郭の下口は、上に凸のドーム状に横隔膜が塞ぐので、横隔膜の直下に位置する肝臓や腎臓など腹腔内臓の一部も胸郭の中に入ります。
鎖骨と胸骨は、大胸筋の起始部に覆われた部分を除き、全長にわたって皮下に直接触れます。体表から容易に触れる頬骨の頸切痕は胸腹部の基準点となり、胸骨角は第2肋骨の付着部及び気管の分岐のレベルを示す指標として使われます。第1肋骨は、鎖骨や大胸筋などが邪魔をして触れにくいです。胸骨と直接連結するのは第7肋軟骨までであり(真肋)、第8以下の肋骨の肋軟骨は、一つ上位の肋軟骨に結合し(仮肋)、全体として第7肋軟骨を始点とする肋骨弓を作ります。第11、12肋骨は遊離端で終わり(浮遊肋)、その先端を側腹筋の奥に触れることができます。特に、第12肋骨は横隔膜や腰方形筋、固有背筋の付着部として、また、骨性指標として重要です。