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免疫異常・アレルギー
- 2021/03/27
<免疫異常・アレルギー>
免疫系は、高等動物でよく発達した生体の恒常性維持機構の1つでありますが、個体の防御機構としても極めて大きな役割を持っています。免疫系は、生体内にあるものに対し自己か非自己かを見極め、非自己ならば身体にはなじまないよそ者とみなし、その抗原物質に対し特異的に結合する抗体を作り、また、その抗原に対する免疫学的記憶を長く保持する系です。
後退は抗原として結合して無毒化し、また、殺菌する効果もありますので、能率の良い防御機構として働きます。さらに、再度の侵襲に対しましては、免疫学記憶を働かして、初回に比し、より速やかにより効果的な反応を示す(免疫の二次反応)という特色を持っています。
このような免疫学的能力には、上記の抗体を作って反応する液性免疫と、結核や多くのウイルスなどに対する免疫のように、リンパ球が直接抗原と接触することによつて反応する細胞性免疫の2つがあります。
この他に免疫反応としまして、自然免疫と獲得免疫、能動免疫と受動免疫、が区別されます。
注1:自然免疫と獲得免疫
微生物によって組織が傷害されますと、急性期の反応として抗原に非特異的な好中球、単球、大食細胞(マクロファージ)などの食菌反応が起こります。これを自然免疫または先天免疫と言います。高等動物ではこれに引き続きT細胞、B細胞が関与する侵入微生物の抗原に特異的な免疫反応が起こり、これを獲得免疫と言います。自然免疫としましては、感染防御に関与する細胞のほかに補体やC反応性タンパク(CRP)などがあります。
注2:能動免疫と受動免疫
抗原の投与または侵入によって引き起こされる免疫反応を能動免疫と言います。これに対しまして、既に免疫が形成されている個体から採取された中和個体を含む血清を患者に投与して、患者の免疫力を補った場合、これを受動免疫と言います。