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脊柱部
- 2021/03/27
<運動器系・体幹>
3.体幹の局所解剖
(4)背部
①脊柱部
後正中溝を挟んで横突起の先端を縦に結ぶ左右の脊柱傍線の間を、脊柱部と呼びます。後正中溝の皮下には脂肪もなく、筋膜や腱膜もこの線を越えることはありませんので、棘突起の先端を明らかに触れます。ただし、中位の胸椎の棘突起は、2個下位の椎骨のレベルまで斜め下方に伸びていますので、棘突起の触知による椎骨レベルの同定は慎重に行わなければなりません。固有背筋と浅い層にあります僧帽筋と広背筋は、ほぼ背部の大部分を被います。この2筋と大菱形筋によって囲まれる領域を聴診三角と言い、胸郭に直接到達できる部位です。浅背筋の起始部は腱膜性になる傾向があり、僧帽筋の起始腱は第1胸椎背面の部位が最も広く、左右の筋を合わせますと菱形を呈し、腱境と呼ばれます。後正中溝の両側の盛り上がりは固有背筋によるもので、特に腰部と項部で顕著です。固有背筋の内側部は横突起筋(半棘筋、多裂筋、回旋筋)からなり、また、外側部の最長筋と腸肋筋は、脊柱傍線を越えて肋骨角を縦に連ねた線まで広がります。