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慢性関節リウマチ
- 2021/04/16
<免疫異常・アレルギー>
4.自己免疫異常
(2)慢性関節リウマチ
本疾患は、全人口の1~4%を占め、女性が男性の3倍以上を占めます。多関節を系統的に侵す炎症で、初めに朝方に手指の関節に痛みやこわばりを感ずるようになり、次第に全身に拡がり、他の大きな関節も侵されます。疾患の進展と共に、関節の腫れや運動制限からついには運動不能に陥ります。貧血を伴い、また血管炎を合併しやすく、レイノー症候群、下腿潰瘍、胃腸びらん、脳、心臓、消化管などの梗塞を起こします。
病理学的には、非特異的な関節滑膜炎で、リンパ球、形質細胞浸潤を伴う滑膜の絨毛状増殖、線維化が出現しています。このような炎症性滑膜が関節軟骨を被覆したものを関節パンヌスと言いますが、引き続きまして炎症は関節軟骨から骨組織まで波及し、肉芽組織が関節腔を充填してしまいます。のちに繊維化と石灰化が加わって関節腔は完全に結合組織で置き換えされ固定化されます。血清学的にリウマチ因子がほとんどの患者で陽性です。
リウマチ因子とは、自分の免疫γグロブリンIgGに対する自己抗体で、その80%はIgM自己抗体であって、残り20%をIgGとIgA自己抗体が占めます。これら自己抗体とIgGとの免疫複合体が関節炎局所や関節腔液の中に検出され、関節炎はこのようなimmune complexによりますⅢ型アレルギーによる炎症と考えられます。その他、Tリンパ球によりますⅣ型細胞免疫型の炎症の関与も存在します。