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有機水銀
- 2021/05/02
<先天性異常>
1.先天性異常総論
(2)奇形
①奇形の原因
b.胎児への環境因子による障害
ホ.有機水銀
メチル水銀を多量に含む魚介類を食べた母親から出生した小児に、視力障碍、脳性麻痺症状や全身発育遅延が見られることが報告され、胎児性水俣病として知られています。水銀によります環境汚染がもたらした先天奇形として重要です。母親に摂取された水銀は蓄積性で、水俣病患児を分娩した後、汚染魚を断ち、さらに5年後に第2児を出産しましたが、その時でも臍帯水銀量は、一般児の150倍の高値を示したと言います。
その他、硫酸防止に使用される合成黄体ホルモンは、女性胎児の生殖器に男性化を生ずることが知られています。ホルモンの投与量と時期に関係し、妊娠13週以前で、女児に男性化(陰唇融合と陰核肥大)が起こります。コーチゾンを妊娠初期にマウスやウサギに注射しますと高率に口蓋裂の原因となった症例の報告はされていません。コーチゾンによる催奇形作用に対し、動物の差により感受性の違いが指摘されています。