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細胞の構造と働き
- 2021/05/23
<生理学の基礎>
2.細胞の構造と働き
人を始めとする多細胞生物には生殖のために特別に分化した生殖細胞と身体を構成する体細胞があります。体細胞は生後分裂・増殖を続けることのできるもの(皮膚や肝臓の細胞など)とできないもの(神経細胞や筋細胞など)とに分けられます。体細胞の種類は数百種類に及びます。これらの細胞は、各々が特殊な機能を果たすために分化しています。例えば、神経細胞は情報の早い伝導と伝達、筋細胞は収縮、腺細胞は分泌などの働きを分担しています。
細胞の大きさは、直径が1~30μm(1μm=1/1,000mm)ほどのものが多く、肉眼的に見分けることはできず、光学顕微鏡で観察されます。細胞の大きさと形状は機能に応じて極めて多様であり、球形、板状、紡錘形、星型などがあります。一部の細胞は、例えば神経細胞のように長い突起(神経線維は1mを越える場合もあります)を持つものがあり、骨格筋を構成する横紋筋線維のように、太さ10~100μm、長さ数mm~約30cmという大きな細胞もあります。
人の細胞は基本的に、細胞膜、細胞質、核より構成されます。細胞質の中に小胞体、ゴルジ装置、ミトコンドリア、リソソーム、中心体などの細胞小器官が存在します。細胞を構成します主な分子は、水、タンパク質、脂質、糖質、核酸などであり、これらの分子を構成します主な原子は、水素(H)、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)などです。細胞が発揮する機能はこれらの物質の物理的・化学的性質に基づいています。