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体液の浸透圧
- 2021/06/11
<生理学の基礎>
4.体液の組成と働き
(2)体液のイオン
②体液の浸透圧
体液の浸透圧は、約290mOsm/リットルに保たれています。これは体液に溶けている物質分子の総和が一定に保たれているからです。
体液に溶けている主なイオンは、陽イオンとしましてはナトリウム(Na⁺)、カリウム(K⁺)、カルシウム(Ca²⁺)、マグネシウム(Mg²⁺)であり、陰イオンとしましては塩素(Cl⁻)、重炭素(HCO₃⁻)、リン酸(HPO₄²⁻)及びタンパク質があります。
ナトリウムは、血漿や間質液などの細胞外液中の陽イオンの約90%を占めます。従って体液中のナトリウムの量は細胞外液の浸透圧や量を左右する最も大きな因子です。体液のナトリウムの平衡は、ナトリウムの摂取量に応じて余分のナトリウムが尿中に排泄されることにより保たれます。カリウムは細胞外液中に少なく、細胞内液中に大量に存在します。身体のカルシウムやリンはその大部分が骨に含まれており、体液中に溶けている量は非常にわずかです。血漿中のカルシウムが厳密に一定に保たれているのは、腸管からの吸収の程度や尿への排泄の度合い、及び骨への取り込み、骨からの遊離がバランスよく調節されているためです。